2018年08月18日

お下品要素を解体していくと見えてくるものは?!ウディ・アレンの半自伝的作品「地球は女で回ってる」あらすじ、解説、ネタバレ集


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かなり前に観たウディ・アレン作品がよく理解できなかったせいか、それとも映画好きの親からの
評価がイマイチだったせいか。積極的に手を出さなかったウディ・アレン作品。
物は試しと齢35超えて観たら、目からウロコぼろぼろでした。


◆ウディ・アレン「地球は女で回ってる」概要




原題はDeconstructing Harry」
ジャンルはコメディともファンタジーともいえる不思議な作品。
1997年制作されています。
ロビン・ウィリアムズ、デミ・ムーア、トビー・マグワイアなど
あり得ない豪華な出演陣、を現実にさせるのがウディマジック!


◆ウディ・アレン「地球は女で回ってる」あらすじ(ネタバレあり)

半自伝的小説で人気のハリー(ウディ・アレン)。
自分のことはもちろん、周りのことも書いてしまうがゆえ不倫相手が
「不倫がバレちゃったじゃない!」と怒鳴りこんできたり。

メインストーリーとしては、ハリーが大学から表彰されるため
友人と娼婦と別れた子どもを連れて出掛けるも、前日「体調が悪い」
と言っていた友人が死んでしまい、表彰が中止の危機。

しかも息子も誘拐同然で連れてきてしまったため、別れた妻と警察が
ハリーを御用。投獄されてしまう。
表彰式に向かう間もずっと電話していた、元教え子だがウディが片思い
しているフェイが結婚してすぐに夫婦でむかえにきてくれたため、無事帰宅。

表彰式は実現できなかったものの、ハリーの作中登場人物たちが総出で
ハリーを祝福してくれる。そしてスランプだったハリーはひらめき、
また作品を書き出す。「書くことだけが安らぎなんだ」とタイピングしながら…。



◆ウディ・アレン「地球は女で回ってる」解説


〇バラエティ、ファンタジー、真面目な核心部分の割合がちょうどいい塩梅!

ありきたりなストーリー展開だとすぐ飛ばしてしまうムービーファンも多いと思いますが、
この作品、現実とフィクションをいったりきたりするため特にはじめはじっくり観ないと
理解するまで時間がかかります。

はじめは思いっきりくだらないこと、下品なことばかり言いやがって!と思うのですが
徐々にウディの本音というか、少し真面目なことも挟んでくるので単なる下品B級映画とは
一線を画す仕上がりとなっているように思います。

私が関心を持ったのは、姉の家に訪れてユダヤ教について言い合いになる場面。
「なぜユダヤ教を嫌うの?」と聞かれたハリーは
「宗教は排他的だから。ホロコーストは黒人の虐殺よりも胸が痛むのか?」と問うのです。
バラエティ、ファンタジー映画とは思えない台詞ですよね。


ハリーは娼婦を呼んだり、息子を誘拐したり、息子に「ダッチワイフはポルノ街で買え」と
言ったり。行動が終始とんでもないのですが、間にハリーの小説であるフィクション要素を
緩衝材とすることで、お腹いっぱいにならずちょうどいい塩梅でこれまで体験したことのない
不思議な映画体験をさせてくれるのです。



〇クラリネット奏者でもあるウディ・アレンだからこその選曲!
地獄のシーンでベニー・グッドマンの「シング・シング・シング」!


ハリーがエレベーターに乗って下ってゆくと
「地獄の〇丁目」が誰々〜とアナウンスで流れるシーンもけっこうおもしろいのですが
私がさらに好きなのはその後!
エレベーターが地獄に着くと、まさかの「シング・シング・シング」が
かなり長いこと流れているのです。
あれって陽気な音楽なんじゃないの?!と思うのですが、映画を観てみると
観ようによってはちょっと陽気な地獄にピッタリ。








しかも「シング・シング・シング」はクラリネットがかなり目立つ曲。
調べたところによるとウディ・アレンはクラリネット奏者
でもあるんだとか。






ホントだー、吹いてるよ〜〜!!!
クラリネット経験のある人は嬉しくなってしまう場面です!



〇散々たるおバカもラストの台詞で、深みのあるものに?!
「地球は女で回ってる」途中で視聴を諦めたらウディの言いたい事
見逃してますから〜。


保釈されて帰宅すると、小説の登場人物たちにお祝いしてもらうハリー。
(大学での表彰はお預けくらってしまいましたからね)
「君たちの存在は僕の人生を何度も救い色々なことを教えてくれた」と
語ります。ここでも流れるのはジャズ。

登場人物の一人が「彼の作品のテーマは【自分の限界を正直に認め前向きに生きろ】」
と言い出し、ハリーも「生きるのはヘタだが小説で才能を発揮する。悲しくて滑稽だが…」
語り出します。


ハイ、ここからテストに出ますよ〜w
またまた登場人物の一人が「見かけは悲しい作品でも解体(deconstructing)すれば
作者も気づかない喜びが発見できるわ」と畳みかけます。

そう。この映画の見かけにだまされず解体することで、この作品の良さはどんどん
ひきだされるとご丁寧にも解説してくれているのです!


と、ここまではハリーの妄想。
スランプ続きだったハリーはようやく閃き、執筆を開始します。
非現実的で人生に適応できない男が芸術で成功する話についてです。
つまりウディの人生でもあり、この映画作品でもあると思うのです。


冒頭の文章だと言って書き始める文章もタイトルと関係深いものです。
「バラバラに自己解体(deconstructing)したリフキンは1つの結論に達した。
真実は1つでも人生は人によって受け止め方が違う。
安らぎは書くことだけ」


この言葉に共感する人はきっと少なくないはずです。
ウディ・アレン、一気に見直しました///

探したら、ウディ・アレン名言集なんて動画もあるんですね。










↑下品はシーンは嫌いだけどウディが語る本質は好き、という方には
特におすすめです。




ウディ・アレン

ウディ・アレンは、アメリカ合衆国の映画監督、俳優、脚本家、小説家、クラリネット奏者である。
日本語では「ウッディ・アレン」と表記される場合もある。
アカデミー賞に史上最多の24回ノミネートされ、監督賞を1度、脚本賞を3度受賞している。
身長160cm。本名はアラン・スチュアート・コニグズバーグ


posted by ライターam at 15:29| 東京 ☀| Comment(0) | 映画 感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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